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米国労働生産性指数の意味と読み解き方

2016年5月17日 - 未分類
米国労働生産性指数の意味と読み解き方

米国労働生産性指数とはなにか

米労働生産性指数は、アメリカ合衆国労働省がアメリカ労働省労働統計局が四半期(速報値:2・5・8・11月、改定値:3・6・9・12月)ごとの5日前後に発表するもので、アメリカ国内企業の労働生産性を指数化した経済指標のことを言います。
米国労働生産性指数は、一般に景気拡大局面では上昇することが多く、企業業績の押し上げ要因の一つとなるため、景気拡大の持続性を測るための経済指標として参照されます。

労働者1人当たりの生産性を表す「労働生産性」

労働生産性とは、従業員1人当たりにかかる営業利益と人件費、減価償却費の合計である「付加価値額」を示す指標であり、「付加価値 ÷ 従業員数」で表され、投入した労働量と労働の結果である生産量の割合のことを言います。

労働生産性は個別・企業・業界など比較に用いられることもありますが、もっともひんぱんに使われるのが、国家間の生産性の比較です。
「ものづくり大国」と言われる日本の製造業では、1970年代以降の生産ラインへのロボットの導入をはじめとする様々な自動化によって、生産性は飛躍的に向上したと言われています。
しかし国家間で比較した日本の労働生産性は、2014年の値ではPPP(Purchasing Power Parity =購買力平価)換算で72,994ドル(768万円)と先進7カ国中最下位で、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development = 経済協力開発機構)加盟 34カ国中21位と、低賃金・長時間労働が習慣化している日本社会の縮図となっています。

アメリカ企業の労働生産性を指数化した「米国労働生産性指数」

投入した労働量に対して発生した生産量を比較する労働生産性を指数化したのが労働生産性指数であり、アメリカ企業の労働生産性について指数化したのが米国労働生産性指数です。
四半期ごとに発表される米国労働生産性指数の特徴は、日本とは反対に製造業の生産性はあまり高くないものの、事務職の生産性が極めて高く、世界規模のサービスをいくつも提供しているため、全体として高いレベルの労働生産性を維持していることがあげられます。

米国労働生産性指数の読み解き方

米国労働生産性指数の読み解き方を見てみましょう。

米国労働生産性指数は一般的に、景気拡大局面では上昇することが多い経済指標と考えられています。
景気回復・拡大の局面では、労働者1人あたりの生産性が改善しなくても、増加した受注に対応するため稼働率(労働時間)を高めて一時的に生産高を向上させるため、このような傾向が出ます。反対に景気収縮・低迷期には労働生産性の伸びが低くなる傾向があります。

注意しておきたいのは、労働生産性指数の向上は企業業績の押し上げ要因となるものの、必ずしも景気の拡大は意味しないということです。労働生産性指数の向上は、景気変動以外にもエネルギー価格や技術革新など、社会的・技術的な変動要因が多数あるためです。
仮に不況期でもエネルギー価格の下落や何らかの技術革新が起きれば、労働生産性指数は向上し、好況期でもエネルギー価格の上昇などが起こると労働生産性指数の悪化を招きます。
更に労働生産性指数の向上は、同じ生産量に必要な人員の数の削減につながるために労働力需要の低下を招き、雇用情勢の悪化につながる可能性があることにも注意が必要です。

このように労働生産性指数の向上と景気拡大は必ずしも一致しませんが、労働生産性の向上を伴わない景気拡大が長く続く可能性は低いと考えられます。
そのため、アメリカの景気拡大の持続性を測る経済指標の1つとして米国労働生産性指数を活用することは有効です。

おわりに

米国労働生産性指数はそれほど重要な経済指標とは言えませんが、アメリカ経済の景気拡大の可能性を測るために有用な経済指標の1つです。
余裕があれば、参照したい経済指標の1つと言えるでしょう。