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ニューヨーク連銀製造業景気指数の意味と読み解き方

2016年2月23日 - 米国経済指標
ニューヨーク連銀製造業景気指数の意味と読み解き方

ニューヨーク連銀製造業景況指数とはなにか

別名「エンパイアステート指数」とも呼ばれるニューヨーク連銀製造業景況指数は、ニューヨーク連銀が発表するニューヨーク州の製造業の景況指数のことを言います。

毎月15日(夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半)発表されるこの経済指標は、ニューヨーク州にある約200社の製造業経営者に対して、新規受注や受注残、雇用、入荷、在庫をはじめとする9つの項目について1ヶ月前と比較した現状と、6か月後の先行きの見通しを回答してもらい、それを集計したものを指数にしたものです。
他の連銀製造業景気指数と同じように景気判断の分岐点をゼロとするDI(Diffusion Index =景気動向指数)の1つであり、ゼロを上回ると景気は拡大傾向、ゼロを下回ると景気は悪化傾向にあると判断されます。

アンケートの内訳としては、

がの9つの指標があります。

ニューヨーク連銀製造業景気指数は、フィラデルフィア連銀やリッチモンド連銀などの各連銀と同様の景況感指数です。
しかし13ある地区連銀調べの製造業景況感の中では比較的歴史が浅いために注目度は低く、発表内容によって値動きが起こることはまれな経済指標として知られています。

ISM製造業景況指数との関係はどのようなものか

ニューヨーク連銀製造業景気指数と同様に製造業の景況感を示す経済指標としては、ISM(Institute for Supply Management = 供給管理協会)製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が知られています。

ISM製造業景気指数はアメリカ全土を、フィラデルフィア連銀製造業景気指数はアメリカ北東部の3州を、ニューヨーク連銀製造業景気指数はニューヨーク州が対象です。
カバーしている地域が広いほど重要度も高くなるため、市場では「ISM製造業景気指数>フィラデルフィア連銀景気指数>ニューヨーク連銀製造業景気指数」の順番に注目されています。

この3つの製造業景況指数はニューヨーク連銀製造業景気指数(毎月15日)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(毎月第3木曜日)、ISM製造業景況指数(毎月第1営業日)の順番で発表され、それぞれ相関関係が比較的高いと言われています。
そのため市場関係者の間では、まずニューヨーク連銀製造業景気指数で大まかな方向性を予測し、フィラデルフィア連銀製造業景気指数で市場の大まかな方向性を形成し、そして翌月初旬のISM製造業景気指数で実際の景況感を確認するという流れが一般的です。

ニューヨーク連銀製造業景気指数に注目するタイミングは?

ニューヨーク連銀製造業景気指数は、毎月15日(夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半)に発表される経済指標です。
先にも見たように、ニューヨーク連銀製造業景気指数で大まかな方向性を予測し、フィラデルフィア連銀製造業景況指数で大まかな方向性を形成し、そしてISM製造業景気指数で実際の数値を確認するという流れになっています。

しかしこれらの3つの経済指標の中では比較的注目度が低く、ニューヨーク連銀製造業景気指数の発表を材料として相場が急変することはほとんどありません。
そのためニューヨーク連銀製造業景気指数は、もっぱら他の2つの製造業景気指数に先行する経済指標として注目を集めることがほとんどです。

おわりに

アメリカの製造業の景況感をはかるのに欠かせないとされているいくつかの製造業景気指数の中でも、もっとも早く発表されるために大まかな方向性を掴むために重宝されているのがニューヨーク連銀製造業景気指数です。
景況感の大まかな方向性を掴むためには有用なものの、単独の経済指標としての注目度は低く、大きく相場を動かすほどの力はありません。