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米個人所得の意味と読み解き方

2016年4月25日 - 米国経済指標
米個人所得の意味と読み解き方

個人所得はどのような経済指標か

個人所得とは、給与や賃貸収入、利子などの全ての所得を合わせた金額から、社会保険料を控除したあとの実際に個人が受け取った所得について調査・集計した経済指標のことを言います。
個人所得の内容は米商務省(Department of Commerce)が発表する個人支出と同時に、毎月月末(夏時間:日本時間21時30分、標準時:日本時間22時30分)に発表されます。

個人所得の読み解き方

アメリカのGDPのうち約7割を個人消費が占めていると言われ、個人所得はアメリカ国内の消費のもっとも大きな決定要因とされています。
個人所得の動向は、家計にとって大きな負担となる車や住宅などの耐久財の購入の可否を大きく左右することとなります。
単価が大きいだけではなく、周辺への波及効果も期待できる耐久財の受注が増減することはアメリカ経済全体の動向も左右すると考えられます。
そのため個人所得の動向は、耐久財受注だけではなくGDPの先行指標としてとらえている投資家も存在します。

このように極めて注目度の高い個人所得ですが、各国ごとに集計項目や集計方法が異なるため、単純な国際比較は難しく、それぞれの経済指標との相関関係は極めて低いのが実情です。
個人所得はあくまで参考となる先行指標の1つであり、個人所得に頼りきりで外国為替市場の動向を予測するのは、極めて危険と言えるでしょう。

個人所得と表裏一体の「個人消費支出」

このように個人所得はアメリカ経済の動向を予測するのに有力な経済指標の1つとして知られています。
しかしより直接的には、個人所得と同時にBEA(U.S. Bureau of Economic Analysis = 米商務省経済分析局)から発表されるPCE(Personal Consumption Expenditures = 個人消費支出)が家計の支出を把握するための経済指標として注目されています。
PCEはアメリカの家計が購入した財・サービスを集計した経済指標であり、家計の収入である個人所得と表裏一体の関係を構築しています。

先にも触れたように、アメリカのGDPのうち、約7割を個人消費支出が占めるなど、家計がアメリカの経済活動に占める比重は、他国と比べると大きくなっています。
そのため、個人所得と個人消費支出はアメリカ経済の動向を予測するための重要な経済指標として欠かせないと言われています。

また、個人消費支出の物価動向を示すデフレータは、経済の好調・不調を示すインフレ指標として非常に注目度が高いことでも知られています。
特に短期間での変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCE(Personal Consumption Expenditure = 個人消費支出)コアデフレータは、FRB(Federal Reserve Board =連邦準備制度理事会)がインフレ指標として最も重視していることで知られ、FRB関係者は、PCEコアデフレータは1%から2%が心地よい水準としています。

PCEコアデフレータは、類似指標であるCPI(Consumer Price Index =消費者物価指数)コアとは計算方法や集計対象が異なり、

が大きな特徴として知られています。

FRBがコアインフレに言及したときは、一般にPCEコアデフレータの水準を示していることがほとんどです。

おわりに

アメリカ経済のうち、約7割を占めると言われる家計の所得と支出の動向を把握することで、アメリカ経済の動向について大まかでも予測することは可能と考えられています。
そのためにも、個人所得と個人消費支出の把握は欠かせない要素の1つと言えるでしょう。