メニュー

フィラデルフィア連銀製造業景気指数の意味と読み解き方

2016年2月15日 - 米国経済指標
フィラデルフィア連銀製造業景気指数の意味と読み解き方

フィラデルフィア連銀製造業景気指数とはなにか

フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、「フィラデルフィア連銀指数」や「フィラデルフィア連銀景況指数」、「フィラデルフィア業況指数」とも呼ばれる経済指標であり、アメリカの製造業の景況感を判断するために重視されている経済指標の1つとして知られています。

フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、アメリカ北東部のペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウエア州で構成されるフィラデルフィア地区の連邦準備銀行であるフィラデルフィア連邦準備銀行が集計・発表している製造業関連の景況感や経済活動を示す経済指標です。
その内容は非農業部門の就業者数、失業率、製造業の新規受注、製造業の平均賃金、個人所得など11の項目について、1カ月前と比較して、現在と将来(6カ月毎)の景況感を良い・同じ・悪いの3択の回答で集計したものをまとめたものです。

0が景況判断の分岐点となっており、指数がプラスであれば景況感が良く、逆にマイナスだと景況感が悪化していることと考えられます。

ISM製造業景況指数との関係はどのようなものか

フィラデルフィア連銀製造業景気指数と同様に製造業の景況感を示す経済指標としては、ISM(Institute for Supply Management = 供給管理協会)製造業景気指数、ニューヨーク連銀製造業景気指数が知られています。

ISM製造業景気指数はアメリカ全土を、フィラデルフィア連銀製造業景気指数はアメリカ北東部の3州を、ニューヨーク連銀製造業景気指数はニューヨーク州が対象です。
カバーしている地域が広いほど重要度も高くなるため、市場では「ISM製造業景気指数>フィラデルフィア連銀景気指数>ニューヨーク連銀製造業景気指数」の順番に注目されています。

この3つの製造業景況指数はニューヨーク連銀製造業景気指数(毎月15日)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(毎月第3木曜日)、ISM製造業景況指数(毎月第1営業日)の順番で発表され、それぞれ相関関係が比較的高いと言われています。
そのため市場関係者の間では、まずニューヨーク連銀製造業景気指数で大まかな方向性を予測し、フィラデルフィア連銀製造業景気指数で市場の大まかな方向性を形成し、そして翌月初旬のISM製造業景気指数で実際の景況感を確認するという流れが一般的です。

フィラデルフィア連銀製造業景気指数に注目するタイミングは?

フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、毎月第3木曜日(夏時間:日本時間午後11時、冬時間:日本時間午前0時)に発表される経済指標です。
先にも見たように、ニューヨーク連銀製造業景気指数で大まかな方向性を予測し、フィラデルフィア連銀製造業景況指数で大まかな方向性を形成し、そしてISM製造業景気指数で実際の数値を確認するという流れになっています。

このように発表ごとにその内容が注目される経済指標の1つですが、大きな特徴として6ヶ月ごとの景況予測を行なっていることが知られています。
そのためFOMC(Federal Open Market Committee = 連邦公開市場委員会)の金利政策を予測するのに重要な経済指標の1つです。

おわりに

このようにアメリカの製造業の景況感に対する大まかな方向性を見るのに欠かせないとされているのがフィラデルフィア連銀製造業景況指数です。
FXでも欠かせない経済指標の1つであるため、発表される内容と発表前後の市場の値動きには注意が必要な経済指標の1つと言えるでしょう。