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対米証券投資の意味と読み解きかた

2016年2月11日 - 米国経済指標
対米証券投資の意味と読み解きかた

経済指標の「証券投資」とはなにか

数ある注目される経済指標はアメリカの雇用統計をはじめとしていくつか知られていますが、そんな経済指標の中でも独特な統計として知られているのが「証券投資」です。
では証券投資とはどのような経済指標なのでしょうか。

国際収支の内訳の1つである証券投資とは、配当・利子などのインカムゲインや売却益に代表されるキャピタルゲインを得る目的で、外国の株式・債券を保有する投資のことを言い、その投資結果をまとめたものも証券投資と呼ばれています。
国際収支はこの証券投資と、外国で企業を設立したり、外国企業の買収など経営権の獲得を目的としておこなわれる「直接投資」に分けられます。
企業設立や企業買収などで投資対象に直接資金を投じる直接投資と、株式などの資産に資金を投じることでキャピタルゲインやインカムゲインを狙う証券投資は、IMF(International Monetary Fund = 国際通貨基金)が定めた国際収支マニュアルによって明確に定義されています。

アメリカへの証券投資額をあらわす「対米証券投資」

「対米証券投資」とは、アメリカの株式をはじめとした各種証券に対するアメリカ国外からの投資のことを言います。

対米証券投資が買い越しの場合は、米国の証券が売られた分よりも多く買われているということになり、海外からアメリカへの投資意欲が旺盛であると言われております。
逆に売り越しの場合には、アメリカの証券が買われた分よりも多く売られていることになり、アメリカ経済に対する信認度が弱まっていると受け止められるケースが多くなっております。

このように対米証券投資には、「海外の投資家のアメリカ経済に対する信認度を測る経済指標」として注目されている経済指標の1つです。
しかし結果が発表されるのが2ヶ月後と集計時間が長く、注目度とは裏腹に為替・株式市場に与える影響は比較的小さくとどまることが多い経済指標です。

対米証券投資の見方と使いかた

対米証券投資は資金流入から流出分を除いた金額が2ヶ月後に発表され、当該月の収支は○億ドルの買い越し・売り越しと表されます。

この指標の注目点は、貿易赤字との関係です。
アメリカは輸入大国であり恒常的に巨額の貿易赤字を計上する経済構造になっているため、海外からの投資で貿易赤字を帳消しにするだけの利益をあげることで国際収支のバランスが取れるかどうかが注目点です。
海外からアメリカへの投資で貿易赤字額をカバーできていなければ、ドルが海外に流出している分が多いと判断されてドル売りの材料となります。
逆に貿易赤字を証券投資の黒字で相殺できていれば外貨が流入しているのでドル買いの材料とされています。

おわりに

対米証券投資は、海外投資家にアメリカ経済がどのくらい魅力的に見えているかを知るために欠かせない経済指標の1つです。
集計から発表までの期間は2ヶ月と長いためどうしても速報性には劣るものの、為替・株式を問わず投資家には注目に値する経済指標の1つと言えるでしょう。