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米国小売売上高の意味と読み解き方

2016年1月20日 - 米国経済指標
米国小売売上高の意味と読み解き方

雇用統計などと並んでアメリカの重要な経済指標として知られているのが、アメリカ国内の小売業の経済動向を把握するのに欠かせない米国小売売上高です。
今回は小売売上高の特徴と、その意味する内容を見てみましょう。

米国小売売上高とはなにか

米国小売売上高とは、米国の個人消費の動向を知る上で重要な経済指標の1つです。
米国内での個人消費は、米国のGDP(Gross Domestic Product = 国内総生産)の約7割を占める経済的にも大きなウェイトを占めている経済活動であり、米国小売売上高は百貨店を含む小売・サービス業、約5,000社の月間の売上高を集計することで算出される個人消費を把握するために欠かせない経済指標として知られています。

個人消費は耐久財と非耐久財の2つに大別されていて、耐久財の中では自動車販売・同部品は比重が大きく、個人消費の動向を確認する上でも注目される部分です。
ただし自動車販売は月ごとの振れ幅が大きく、指標として参照するときには注意が必要となります。

米国小売売上高は、BEA(U.S. Bureau of Economic Analysis = 米国商務省経済分析局)によるGDP概算の資料や、BLS(U.S. Bureau of Labor Statistics = 米労働省労働統計局)による生産者物価指数(PPI)のデータをはじめとして、官民問わず幅広く利用される経済指標として知られています。

米国小売売上高はいつ発表されるのか

米国小売売上高は、毎月第2週(夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半)に発表されます。

米国小売売上高はどのような影響をもたらすのか

1国だけで世界経済のほぼ半分の経済規模を持つアメリカですが、その経済規模を支えているのは、グーグルやアップル、GE(ゼネラル・エレクトリック)まで、バラエティに富んだ世界有数の企業群と並んで、旺盛な購買意欲を誇る個人消費が大きなカギとして知られています。小売売上高の統計対象となる業種は飲食店や総合小売店、自動車ディーラーなど13業種であり、シーズンごとに異なる出費の様相を把握するために統計ごとに注目される業種は微妙に異なります。

米国小売売上高が重要な経済指標として注目される理由として、景気変動の影響を大きく受ける商品が対象となっていることがあげられます。
GDPの個人消費の内訳を見てみると、財の消費が1/3程度、サービスの消費が2/3程度となっていますが、サービスの消費には医療費や教育費をはじめとして、一定期間のうちに一定金額の支出が含まれるため、景気変動の影響を受けにくい項目が含まれています。
このように一定期間で一定額の支出が含まれるため、景気変動の影響を受けにくいと考えられるサービスの消費に対して、耐久財としてカウントされるテレビや自動車などは、高額商品であることも手伝って、景気後退や収入の減少などの景気変動の影響を受けやすく、場合によっては購入を先送りすることも考えられます。
米国小売売上高はこのような性質があるため、サービスの消費を除いた財の消費に対する支出を把握するときに有用な経済指標の1つと言えるのです。

大まかな個人消費の動向を見るためには小売売上高を見れば十分ですが、もう少し詳しい個人消費の動向を把握するときには、「コア小売売上高」を使います。これは先の13業種のうち、特に変動の激しい自動車ディーラーとガソリンスタンド、建材・園芸店の3業種を除いた10業種の小売売上高の経済指標です。コア小売売上高は小売売上高に比べると振れ幅が小さいため、個人の消費動向を把握するのにより適している経済指標として知られています。

おわりに

雇用統計などと並んで、米国小売売上高の発表直後は株式・為替市場が大荒れになることが予想されます。基本的なことですが、重要な経済指標の発表前後は株式・為替ともどもポジションをできるだけ小さくしておくほうが賢明と言えるでしょう。